[特許/インド]最高裁、既知化合物の別形態について特許性を認めず
2013年4月1日、インド最高裁判所は、抗がん剤「Gleevec」(日本での商品名はグリベック(Glivec))に係る化合物の別形態(Beta crystalline form of Imatinib Mesylate)の発明について特許性を認めない旨の判決を下した。 |
NOVARTIS AG v UNION OF INDIA & OTHERS
本件は、当該発明の特許出願に対する付与前異議申立に端を発して、「既知の物質の新規の形態、用途等の単なる発見」を不特許事由とするインド特許法3条(d)の適用などが争われていたものである。
判決前より、今回の最高裁判決が、化学・医薬関連の発明を中心としてインド特許実務に少なからず影響を与えることになると考えられてきたところ、最高裁は、当該発明は、特許法3条(d)だけでなく、進歩性に関する法2条(1)項(j)及び(ja)についても要件を満たさないと判示した。その一方で、最高裁は、法3条(d)が化学物質及び医薬物質に関するすべての漸進的な発明を特許保護から除外するものではないと言明している。今後は、判決の内容とあわせて、実務への実質的な影響に関する分析が待たれる。