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[特許/米国]特許期間調整(PTA)の再考申請に関するお知らせ

 この度、米国特許商標庁(USPTO)から特許期間調整(PTA)ソフトウェアに影響を与えるコーディングエラーがあったとの報告がありました。これにより、下記で説明する「A遅延」および「重複日数」の計算に誤りが生じ、その結果、不正確なPTAを受けた特許が存在する可能性があるようです。

 USPTOの報告によれば、上記のコーディングエラーは、2024年3月19日から2024年7月30日(対象期間)に発行された特許に対するPTAの計算に影響を与えている可能性がありますが、多くの特許において不正確な「A遅延」が不正確な「重複日数」と等しくなっているため、実際に影響があると推定されるケースは1%程度とのことです。

 なお、再考申請は、特許発行から2か月以内に申請する必要があり、最大5か月の延長が認められます。また、再考申請の理由が所定の理由(以下の「A遅延」および「重複日数」の計算エラー)のみの場合には、庁費用(及び延長費用)が免除されます。

(特許期間調整(PTA)について)
 米国特許権の存続期間(Patent Term)は、原則、出願日(PCTは国際出願日)から20年です。しかし、USPTOの責任により審査手続きが遅延し特許発行が遅れた場合、その遅延した日数分が調整(延長)されることがあります。USPTOの責任による遅延としては、下記で説明するA遅延、B遅延、C遅延がありますが、これらの遅延が重複する場合は、トータルの調整日数が、特許発行が実際に遅れた日数を超えないよう、「重複日数」が差し引かれます。また、出願人が審査終結のための合理的な努力をしなかった期間 (出願人の責めによる遅延) は、PTA期間から差し引かれます。よって、特許期間調整(PTA)は次のように計算されます。

 特許期間調整(PTA)= (A+B+C遅延) – 重複日数 – 出願人の責めによる遅延

 A遅延、B遅延、C遅延は、下記の通りです。
 A遅延(154条(b)(1)(A)):
 ・出願日(移行日)から14か月以内に許可通知、拒絶理由通知が発行されない場合の遅延日数
 ・拒絶理由通知の応答、審判請求から4か月以内にUSPTOが返答できない場合の遅延日数
 ・審判部の決定から4か月以内にUSPTOが処理できない場合の遅延日数、
 ・特許発行費用の納付から4か月以内に特許証が発行されない場合の遅延日数、

 B遅延(154条(b)(1)(B)):
 ・出願日から3年以内に特許が発行されない場合のその遅延日数
 (継続審査請求(RCE)により要した期間等は差し引かれます)

 C遅延(154条(b)(1)(C)):
 ・インターフェアレンス(pre-AIA)若しくはderivation手続き(AIA)に要した期間
 ・国防上の秘密命令(secrecy order)により審査が中断された期間
 ・審判部若しくは連邦裁判所において拒絶の判断が覆され特許が発行された場合の審理期間

【出典】
USPTO:「Coding Error Impacting USPTO Patent Term Adjustment Software」(PDF)

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