[特許/米国] USPTOの最近のツール開発・改定の動向
USPTOは最近ツールの開発・改定に活発である。一例として、今まで長年使われていたPublic PAIR (Patent Application Information Retrieval)のサービス提供が廃止され、Private PAIR、EFS-Web (Electronic Filing System)も今後段階的にサービスが廃止される予定で、それらを全て統合した改良版としてPatent Centerが現在USの実務者の間では書類提出および検索に主に使われている。
以下、最近サービスを開始した2つのツールであるPPUBSとP-TACTSについて説明する。
1.PPUBS (Patent Public Search)
2022年9月20日、USPTOは既存の検索ツールであった下記の4つのツールを統合した新しい検索ツールとしてPPUBSのサービスを開始した。実は、2022年2月1日にPPUBSの導入を予告して以来、USPTOはPPUBSと既存の4つのツールを同時に運用していたが、2022年9月20日付けで既存のツールによるサービスをオフィシャルに終了し、PPUBSに単一化した。
- PubEAST (Public-Examiner’s Automated Search Tool)
- PubWEST (Public-Web-based Examiner’s Search Tool)
- PatFT (Patent Full-Text and Image Database)
- AppFT (Patent Application Full-Text and Image Database)
PubEASTとPubWESTは、USPTOの審査官専用の検索ツールであって、USPTOまたは関連機関でのみ使用可能だったツールであるが、今回PPUBSに統合されることにより、誰もがいつでもどこからでもオンラインで使用できるようになった。
PatFTはUSPTOに登録されている全ての特許公報の検索が可能であり、AppFTは2001年3月以降の特許出願が検索可能なツールである。
PPUBSでは米国特許のみが検索できるというデメリットもある一方で、逆に米国特許だけに限ってはUSPTOの審査官と同等の情報が取得できるという点でPPUBSを使う意義はあると思われる。
PPUBSへのリンクはこちら https://ppubs.uspto.gov/pubwebapp/
2.P-TACTS (Patent Trial and Appeal Case Tracking System)
PTAB (Patent Trial and Appeal Board)関連手続き及び検索に使われていたPTAB E2E (Patent Trial and Appeal Board End to End)が2022年10月11日付けでP-TACTSに置き換えられた。今後、PTAB関連手続き、つまり、Inter Partes Review (IPR)、Covered Business Method (CBM)、Post Grant Review (PGR)における書類は、原則、P-TACTSを通じたオンライン提出となる。
P-TACTSへのリンクはこちら https://ptacts.uspto.gov/ptacts/ui/home