[商標/中国] 2014年5月1日の改正中国商標法施行から約1年で235件の音商標出願を受理
中国では2013年の改正商標法により音商標の登録が認められるようになり、2014年5月1日より音商標の出願・審査が開始された。工商行政管理総局・商標局は、これまでに音商標出願を235件受理したと、同局ウェブサイトの2015年6月16日付け記事で伝えている。
記事では、実際に出願された音商標が複数紹介されているが、その中でも次の3例はほとんどの中国人に知られている音である。
・恒源祥の「羊羊羊(ヤンヤンヤン)」
1993年に中国CCTVのCMで初めて流された音で、子供の声が使われており、今でも人気が高い。「恒源祥」社は、当時カシミヤ製品を主に取り扱っていた。
・騰迅QQの「滴滴滴滴(ディディディディ)」及び「咚咚咚(ドゥンドゥンドゥン)」
「騰迅QQ」は、1999年ごろに登場したテンセント(騰迅)のメッセージ用ソフトウエアで、可愛いペンギンのキャラクターとあわせて今でも人気が非常に高い。「滴滴滴滴(ディディディディ)」はメッセージ提示音で、「咚咚咚(ドゥンドゥンドゥン)」は友人がオンラインになった時の提示音である。
・中国国際放送局が毎日の放送開始時に流す開始音楽
中国における音商標出願第1号。「中国国際放送局」は多言語で対外放送を行う国家放送局で、日本語放送も行っている。
なお、記事では、「音商標方式·実体審査基準(試行)」に基づいて審査が開始されているとあるが、上記の例を含めて、中国における音商標の登録第1号はまだであると伝えている。
一方、日本では、2015年4月1日から音商標等の「新しいタイプの商標」の出願受付を開始したが、特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)の収録データによれば、7月末の時点ですでに237件の音商標出願が公開されている。つまり、中国が約1年で到達した出願件数を日本はわずか4か月足らずで超えたことになり、商標出願全体の件数規模の違い(2014年は、中国が2,285,358件、日本が124,442件)を考えると、中国と比較して日本における音商標出願がきわめて活発であることがわかる。
【出典】中国・工商行政管理総局「商标局已受理声音商标申请235件」