[特許]日米協働調査試行プログラム、開始から8か月が経過するも利用は伸びず
(※2017年11月1日からの新スキームに関する続報はこちら)
日本特許庁(JPO)と米国特許商標庁(USPTO)との間で2015年8月1日から開始された日米協働調査試行プログラムだが、8か月が経過した現時点で利用が伸びていない。USPTOウェブサイトの特設ページ(2016年3月31日更新時点)によれば、JPOがこれまでに受領した申請は33件(先に調査を実施する第1庁がJPOである申請は30件)となっている。そのうち、申請が許可された件数は15件に留まっており、年間200件の枠に対してわずか7.5%に過ぎない。
日米協働調査試行プログラムでは、所定の申請要件を満たした日米両国への特許出願について、日米の審査官がそれぞれ調査を実施し、その調査結果及び特許性の判断を共有した後に、最初の審査結果が送付される。これにより、出願人は、審査・権利取得の時期に関する予見性が向上するだけでなく、協働による調査結果を踏まえたより強く安定した権利を、日米両国において早期かつ同時期に得ることが可能になるとされている。
審査結果送付は申請から6か月程度とされており、特許審査ハイウェイ(PPH)等の他の早期審査と比べて特筆できる効果ではないが、同時期に審査結果が送付される点はPPHにはない特徴となっている。また、直近の状況として、USPTOではPPH申請の処理遅れ(過去12か月間では申請に対する決定まで平均156日)が目立っていることに鑑みても、クレーム数の制限等の考慮すべき点はあるが、日米協働調査試行プログラムの活用を考慮する余地があるものと考えられる。
【出典】
米国特許商標庁 「Collaborative Search Pilot Program(CSP)」
米国特許商標庁「Data Visualization Center: Patents Dashboard “Frequently Filed Petitions in the Office of Petitions“」
日本特許庁「日米協働調査試行プログラムについて」
日本特許庁「特許審査ハイウェイについて」、「PPH Portal Web Site(日本語)」
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