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[特許・意匠・商標等/日本]「押印を求める手続の見直し等のための経済産業省関係政令の一部を改正する政令(令和3年6月11日政令第164号)」等

特許権、実用新案権、意匠権及び商標権に係る登録手続のうち、印鑑証明書の添付を求めない手続については、押印を求める必要性が乏しくまた必要に応じ他の手段による本人確認が可能であることから、記名押印又は署名を求める規定を削除する旨の政令が2021年6月8日に閣議決定されました。

(下記「引例」の①「押印を求める手続の見直し等のための経済産業省関係政令の一部を改正する政令が閣議決定されました」  をご参照ください。)

これに伴い約800種の特許庁に対する申請手続について押印の要否について見直しの検討が行われ(下図)、この検討結果を踏まえて、

✓特許登録令で規定する手続について押印を不要とするための「押印を求める手続の見直し等のための経済産業省関係政令の一部を改正する政令(令和3年6月11日政令第164号)」
✓押印を求める手続の見直し等を目的とした「特許登録令施行規則等の一部を改正する省令(令和3年6月11日経済産業省令第50号)」、及び
「方式審査便覧」(項目64.20及び70.15)の改訂、

が令和3年6月12日に施行されました。

これにより特許権、実用新案権、意匠権及び商標権に係る登録手続のうち偽造による被害の大きい手続以外の手続について、押印を求める規定が削除されました。

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(「特許庁関係手続における押印の見直しについて」の「2.押印見直しの考え方及び今後の運用」より引用)
(図中(※)、(2)、(3)の引用元:下記「引用」の②「特許庁関係手続における押印の見直しについて」  をご参照ください。)

[A]「押印を求める手続の見直し等のための経済産業省関係政令の一部を改正する政令(令和3年6月11日政令第164号)」により、特許登録令第27条(申請書)において「記載し、申請人が記名し、印を押さなければ」が「記載しなければ」に改められ、特許権の登録の申請書への記名押印が不要となりました。

(下記「引例」の③「押印を求める手続の見直し等のための経済産業省関係政令の一部を改正する政令(令和3年6月11日政令第164号)」  及び④「政令第百六十四号」  をご参照ください。)

[B]「特許登録令施行規則等の一部を改正する省令(令和3年6月11日経済産業省令第50号)」により、特許権等(特許権、実用新案権、意匠権及び商標権)に係る登録手続のうち、偽造による被害の大きい手続以外の手続については、押印を求める規定が削除されました。

✓改正対象令:
・特許登録令施行規則第10条(申請書の様式)
・商標登録令施行規則第4条(申請書の様式)
・商標登録令施行規則第17条(特許登録令施行規則の準用)

✓主な改正内容:
下記様式から押印欄が削除等されました。

《特許登録令施行規則様式》
・「移転登録申請書」(様式第7)
・「特許法第74条第1項の規定による請求に基づく特許権移転登録申請書」(様式第7の2)
・「一般承継による移転登録申請書」(様式第8)
・「登録名義人(仮専用実施権に係る特許出願に係る特許を受ける権利を有する者)の表示変更(更正)登録申請書」(様式第9)
・「専用実施権設定(変更)登録申請書」(様式第10)
・「仮専用実施権設定(変更)登録申請書」(様式第11)
・「質権設定(変更)登録申請書」(様式第12)
・「信託登録申請書」(様式第13)
・「登録申請取下書」(様式第14)
・「期間延長請求書」(様式第15)
・「手続補正書」(様式第16)
・「弁明書」(様式第17)
・「包括委任状援用制限届」(様式第18)

《実用新案登録令施行規則様式》
・「実用新案権抹消登録申請書」(様式第6)

《商標登録令施行規則様式》
・「商標権分割登録申請書」(様式第6)
・「商標権分割移転登録申請書」(様式第7)
・「専用(通常)使用権設定(変更)登録申請書」(様式第8)

(下記「引用」⑤「特許登録令施行規則等の一部を改正する省令(令和3年6月11日経済産業省令第50号)」 及び⑥「経済産業省令第五十号」 をご参照ください。)

なお、上記の申請書等に添付する書面には押印が要求されるものがあります。このような書面としましては、例えば「移転登録申請書」(様式第7)に添付する「権利の移転を証明する書面」(具体的には「譲渡証書」等)があります。下記項目[H]に記載の押印が必要な申請書及び添付書面の一例もご参照ください。

[C]「方式審査便覧」の改訂において、

✓項目64.20(新規)「移転登録の申請書の取り扱い」では、引き続き押印を求める手続について、どのような押印が認められるか明確化が行われ、
✓項目70.15「特許登録令第19条の登録義務者の承諾書の記載事項について」では、特許登録令第19条(実用新案登録令第7条、意匠登録令第7条、商標登録令第10条において準用)の規定に基づき登録権利者だけで登録の申請をする場合に添付する承諾書(単独申請承諾書)に押印を求める旨の記述が削除されました。

(下記「引用」⑦「方式審査便覧の改訂について」 の記事「令和3年6月12日付「方式審査便覧」の改訂について」をご参照ください。)

[D]押印を求める手続の見直し等に関連した「方式審査便覧」の他の改訂(削除、新規を含みます。)が令和2年12月28日に施行されました。

(当該改定が多数の項目に及んでいますので具体的には下記「引用」⑦「方式審査便覧の改訂について」 の記事「令和2年12月28日付『方式審査便覧』の改訂について」をご参照ください。)

[E]「面接ガイドライン」(特許審査編及び商標審査編)において押印欄を削除する改訂が令和2年12月になされました。

(下記「引用」⑧「面接ガイドライン【特許審査編】の改訂について」 及び⑨「面接ガイドライン【商標審査編】の改訂について」  をご参照ください。)

[F]意匠審査基準の第Ⅲ部第3章「新規性の喪失の例外」において意匠の新規性喪失の例外規定の適用を受けるための証明書の押印を廃止する改訂(令和2年12月16日以降に審査される意匠登録出願に適用)が行われました(記名は引き続き必要)。

(下記「引用」⑩「意匠審査基準の一部改訂について」  及び⑪「意匠の新規性喪失の例外規定の適用を受けるための手続について」をご参照ください。)

[G]令和3年1月以降に提出され特許料等の減免制度の申請の際に必要となる審査請求書又は特許料納付書等の押印が廃止されました。

(下記「引用」⑫「特許料等の減免制度」  をご参照ください。)

[H]権利の移転等に関する手続に必要な書面には全て本人確認が可能な「実印」又は「実印により証明可能な法人の代表者印」の押印が必要になりました(委任状や、履歴事項全部証明書等官公庁が作成した書面は除かれます。)。

✓押印が必要な申請書:
・本人手続きによる登録名義人の表示変更登録申請書

✓押印が必要な添付書面の一例:
・譲渡証書
・同意書
・持分放棄書
・専用実施権設定契約証書
・専用(通常)使用権設定契約証書
・質権設定契約証書
・会社分割承継証明書

(下記「引用」⑬「登録に関する申請書及び添付書面への押印について」をご参照ください。)

[引用]
①経済産業省「押印を求める手続の見直し等のための経済産業省関係政令の一部を改正する政令が閣議決定されました
②日本特許庁「特許庁関係手続における押印の見直しについて
③日本特許庁「押印を求める手続の見直し等のための経済産業省関係政令の一部を改正する政令(令和3年6月11日政令第164号)
④日本特許庁「政令第百六十四号
⑤日本特許庁「特許登録令施行規則等の一部を改正する省令(令和3年6月11日経済産業省令第50号)
⑥日本特許庁「経済産業省令第五十号
⑦日本特許庁「方式審査便覧の改訂について
⑧日本特許庁「面接ガイドライン【特許審査編】の改訂について
⑨日本特許庁「面接ガイドライン【商標審査編】の改訂について
⑩日本特許庁「意匠審査基準の一部改訂について
⑪日本特許庁「意匠の新規性喪失の例外規定の適用を受けるための手続について
⑫日本特許庁「特許料等の減免制度
⑬日本特許庁「登録に関する申請書及び添付書面への押印について

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