職務発明制度の抜本的な見直しについて
知的財産戦略本部は、我が国産業の国際競争力の強化を目的として内閣に設置された機関である。 |
推進計画2014 では、職務発明制度について、例えば法人帰属や当事者の契約に委ねる方向で見直すべき旨示されており、その見直しに当たってのポイントとして以下の3つの提言がまとめられた。
注目されている法人帰属については、発明のインセンティブ確保を重要視している点が興味深い。
■産業界の発明インセンティブ確保の重要性
第1 は、産業界が発明のインセンティブ確保にしっかり取り組むという点である。これを前提として初めて法人帰属ないし当事者の契約に任せるという制度設計が可能となる。
■柔軟な制度設計の必要性
第2 は、大学の研究者や企業内でノーベル賞級の研究業績をあげるスーパー研究者に配慮した柔軟な対応が可能となる制度設計とするという点である。イノベーション環境の維持向上に重要である。
■基礎的なデータ収集の必要性
第3 は、研究者のインセンティブ等の基礎的なデータを収集し、これに基づいた検討が必要であるという点である。下図は、提言を受けて特許庁において実施したアンケート結果の一部である。