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[特許/米国] 2025年1月19日から適用されるUSPTOにおける手数料の最終規則(※追記あり)

米国特許商標庁(United States Patent and Trademark Office:USPTO)は2025年1月19日から適用される手数料(庁費用)の最終規則を2024年11月20日に公表した。ほとんどの手数料は少なくとも4%引き上げられ、いくつかの手数料については大幅な引き上げとなり、新しい手数料も導入される。

最終規則のうちいくつかの手数料は、既報1で紹介した2024年4月3日付の規則改訂案で示された手数料から変更されている。以下、規則改定案からの変更箇所にも適宜触れつつ、最終規則で示された内容を紹介する。

出願手数料
※規則改訂案から変更なし
現在の出願に関する手数料は総額で1,820ドル(基本出願手数料、調査手数料、審査手数料の合計)であるが、最終規則では10%値上げされ2,000ドルとなっている。また、3個を超える独立クレームについては1クレームあたり480ドルから600ドルに値上げ、20個を超えるクレームについては1クレームあたり100ドルから200ドルのように倍の値上げとなっている。

IDS
※規則改訂案から軽微な変更あり
審査官の検討のために提出する情報開示陳述書(Information Disclosure Statement:IDS)については、現在260ドルの基本手数料で任意の数の文献数を提出できる。最終規則では、この基本手数料が280ドルに値上げされている(規則改訂案では275ドル)。さらに、基本手数料に加えて累積の文献数が50を超えた場合における新たな手数料が導入される。新たな手数料についての詳細を以下に示す。

  • 累積の文献数51~100の場合: 200ドル
  • 累積の文献数101~200の場合: 500ドル※1
  • 累積の文献数200を超える場合:   800ドル※1

※1:文献数に応じた別の手数料を支払い済の場合は、その額が差し引かれる

上記の500ドルと800ドルの手数料に関しては、文献数に応じた別の手数料を支払い済の場合には減額される。例として、最初のIDSの文献数が100である場合で説明する。最初にIDSを提出する際の手数料は、基本手数料280ドルと文献数に応じた200ドルの手数料を加えた額となる。その後、文献数が累積で200(追加で100の文献)となるような2回目のIDSを提出する場合の手数料は、基本手数料280ドルと文献数に応じた300ドルの手数料を加えた額となる。ここで累積の文献数が200の場合には文献数に応じた手数料は500ドルと考えられるものの300ドルとなるのは、最初にIDSを提出する際に文献数に応じた手数料200ドルを既に支払っているため、500ドルから200ドルが差し引かれるためである。同様に、文献数が累積で250(追加で150の文献)となるような2回目のIDSを提出する場合の手数料は、基本手数料280ドルと文献数に応じた600ドル(800ドルから支払い済の200ドルを差し引いた額)の手数料を加えた額となる。

RCE
※規則改訂案から、手数料及び手数料項目の変更あり
ファイナルオフィスアクションに対してRCE(Request for Continued Examination)をする際の手数料は10%~43%の値上げとなっている。

  • 最初のRCE: 現行の費用1,360ドルから1,500ドルに値上げ
  • 2回目以降のRCE: 現行の費用2,000ドルから2,860ドルに値上げ

規則改訂案では、3回目以降のRCEの手数料項目が設けられていたが、最終規則では削除されている。そのため、2回目以降のRCEは全て同額である。つまり、値上げはされているものの、現行の手数料項目自体は維持されている。

AFCP
※AFCPは2024年12月14日に終了
規則改訂案には、AFCP(After-Final Consideration Pilot 2.0)についての新たな手数料が含まれていたが、既報2の通り、2024年12月14日にAFCPは終了する。

継続出願
※規則改訂案から、手数料及び手数料項目の変更あり
継続出願には以下の手数料が新たに導入される。

  • 最先の優先日から6年を超えて出願された場合: 2,700ドル
  • 最先の優先日から9年を超えて出願された場合: 4,000ドル

規則改訂案では、最先の優先日から5年及び8年を超えて出願された場合に、それぞれ新たに導入された手数料項目が適用されるとしていた。最終規則では、規則改訂案の手数料項目それぞれについて最先の優先日からの期間が1年延長されるとともに、500ドル増額されるといった変更がなされている。

ターミナルディスクレーマー
※規則改訂案のタイミングにおける手数料項目が削除
規則改訂案では、ターミナルディスクレーマーの提出に関し、最初のオフィスアクション、ファイナルオフィスアクション、許可通知、審判請求及び特許発行におけるタイミングの手数料項目が設けられていた。最終規則では、これらのタイミングにおける手数料項目を削除する代わりに、ターミナルディスクレーマーの提出時期に関わらず適用される一般的な手数料項目が維持されている。最終規則によれば、現行の費用170ドルから8%の値上げとなる183ドルとなっている。

特許期間調整及び特許期間延長
※規則改訂案から手数料の変更あり
最終規則では、特許期間調整(Patent Term Adjustment:PTA)の申請については、現行の210ドルから226ドルに値上げとなっている(規則改訂案では300ドル)。特許期間延長(Patent Term Extension:PTE)の申請については、現行の手数料1,180ドルから2,500ドルに値上げされる(規則改訂案では6,700ドル)。

小規模団体及び極小団体
上記で説明した手数料の改訂は割引のない事業体に対する手数料であり、最終規則によれば、小規模団体(Small Entity)、極小団体(Micro Entity)については引き続き割引が適用される。ただし、文献数に応じたIDSの手数料、ターミナルディスクレーマー、PTA及びPTEの申請については割引されない。

上記の内容は改訂される手数料全てではない。最終規則によるUSPTO手数料の一覧は、USPTOの以下のリンクから確認できる。

Table of Patent Fees: Current, Final Patent Fee Schedule, and Unit Cost
※クリックによりエクセルファイルがダウンロードされる

[参考]
弊所対外サイト「[特許/米国]2025年度のUSPTOにおける大幅な手数料の値上げ
弊所対外サイト「[特許/米国]AFCPの試行期間終了

***2024年12月11日追記***

意匠特許
新規則では、意匠特許に関して以下のような値上げがされる。

基本出願手数料: 現行の費用220ドルから300ドルに値上げ(+36%)
調査手数料: 現行の費用160ドルから300ドルに値上げ(+88%)
審査手数料: 現行の費用640ドルから700ドルに値上げ(+9%)
発行手数料: 現行の費用740ドルから1,300ドルに値上げ(+76%)
ハーグ国際意匠出願(第1部分※2): 現行の費用1,020ドルから1,300ドルに値上げ(+27%)
ハーグ国際意匠出願(第2部分※2): 現行の費用740ドルから1,300ドルに値上げ(+76%)
※2:米国は、国際出願時と保護付与時の二段階納付制度を採用

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