特許出願から権利化までの期間について
(※日米欧中韓における2011~2017年のデータを紹介した記事はこちら)
特許出願は、出願審査請求までの期間、審査待ち期間及び拒絶理由通知後の対応期間に応じ、権利化されるまでに相当の期間を所要します。
特許出願から権利化までの大体の所要期間を把握するために、本年4月に特許公報が発行された案件の出願年を調べてみました。下表は、登録件数に対する出願年毎の特許出願件数の割合を示しています。
上表の結果から、特許出願の権利化には、出願から6年程度所要していることになります。ご存じの通り、特許権の存続期間は、通常、出願日から20年で終了します。この「20年」の1/3~1/4に相当する期間が、権利取得までに費やされていることになります。
権利取得までの期間を短縮する手段としては、例えば、出願と同時に審査請求をすることや、早期審査制度を活用することが挙げられます。ただし、早期審査制度を利用するためには、中小企業、個人等による出願であること、外国関連出願であること、または実施関連出願であることなど、一定の要件を満たすことが必要となります(詳細は下記参考サイト(1)をご参照下さい)。
一方、特許庁においても、審査待ち期間を短縮するため、種々の対策が実施されております。例えば、審査負担の軽減を図るために、特許審査ハイウェイなど、他国特許庁の審査結果を利用する取り組みがなされています。また、今年の4月からは、パリ優先権主張の基礎とされている特許出願のうち、出願日から2年以内に審査請求されたものを、他の出願に優先して審査着手する施策がなされているようです。詳細は、下記参考サイト(2)をご参照下さい。
参考サイト(1) http://www.jpo.go.jp/cgi/link.cgi?url=/torikumi/t_torikumi/souki/v3souki.htm
参考サイト(2) http://www.jpo.go.jp/torikumi/t_torikumi/jp_first.htm