[特許・実用新案/日本] 特許異議申立て・特許無効審判の利用状況
特許行政年次報告書2022年版及び特許出願等統計速報で報告されているデータをもとに、特許異議申立て及び特許無効審判の利用状況について概要を説明する。2021年の1年間では、特許異議の申立てが権利単位で1,260件(対前年比231件増)、特許無効審判は106件(対前年比15件減)だった。2018年10月以降の特許異議の申立て及び特許無効審判の月別の件数の推移は図1の通りである。増減はあるものの特許異議の申立て件数は微増傾向、特許無効審判は横ばいであることが見受けられる
〈図1:特許異議申立件数・特許無効審判請求件数の推移(2018年10月~2022年6月)〉
平均審理期間は図2に示す通りである。特許異議の申立ての平均審理期間は、2021年は対前年比+0.2か月となり、わずかではあるが平均審理期間が長くなっている。無効審判(特許・実用新案)の平均審理期間は2018年以降やや長期化の傾向にあり、2021年も対前年比+1.6か月となっている。
〈図2:平均審理期間の推移(2014年~2021年)〉
審理結果の推移は表1に示す通りである。特許異議の申立てにおける取消決定(一部取消を含む)の割合と特許無効審判の請求成立(一部成立を含む)の割合(すなわち、特許異議の申立てにより特許が取り消される割合と、特許無効審判により特許が無効となる割合)を比べると、2015年以降いずれの年も後者の割合の方が大きい。また、2020年はその差が10ポイントを超えるほどとなっていたが、2021年は5ポイント程度となった。
〈表1:審理結果の推移(2015年~2021年)〉
【出典】
日本特許庁「特許行政年次報告書2022年版」
日本特許庁「特許出願等統計速報」