イギリスの商標制度の改正
英国で、2007年10月1日より、いわゆる「相対的拒絶理由」を発送しない、新しい審査運用が開始されました。 |
(1)審査レポート
新しい審査運用の下においても、英国知財庁は抵触する先行商標の審査を行いますが、「審査レポート」により抵触する先行商標を通知するのみで、「拒絶理由」は発送されません。
(2)審査レポートへの応答
審査レポートを受領後(2ヶ月以内)、出願人には、引用商標と出願商標とは混同が生じないとの意見や、指定商品/役務の補正の機会が(1回に限り)与えられます。これにより、相対的拒絶理由が解消すれば、先行商標の保有者に対する後述する「出願商標の公告の通知」を回避することができます。
(3)出願商標の公告と先行商標の保有者への通知
英国知財庁は、出願商標の公告に際し、引用した先行商標の保有者のうち、(1)「英国国内商標」及び「英国を指定した国際登録商標」及び(2)「CTM商標」及び「EU全体を指定した国際登録商標」のうち、「出願商標の公告通知」の受領を希望することを選択した者(これを「opt in」と呼んでいます。)のみに、公告の通知を行います。
これにより、先行商標の保有者は、出願商標に対する異議申立の機会を得ることとなります。
*なお、「CTM商標」及び「EU全体を指定した国際登録商標」の保有者が、いわゆる「opt in」を希望する場合は、(3年間分の費用として)1商標につき50ポントを納付する必要があります。この「opt in」 は、更新することができます。
(4)異議申立て及び登録
先行商標の保有者は、出願商標の公告後(3ヶ月以内)、異議申立をすることができます。(ただし、異議申立人は、引用先行登録商標の使用の事実を示さなければなりません。)
異議申立期間中に異議を受けなかった場合には、異議申立期間の経過後に、出願商標は登録されます。
以上