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「特許法等の一部を改正する法律案」について(その2)②意匠法改正の概要

 前号で紹介した「特許法等の一部を改正する法律案」が、平成26 年(2014 年)4 月25日に衆議院本会議の全会一致で可決し、成立した。
今回の改正は多岐にわたり、大きな実務上の変更を含む内容となっているが、本稿では前号の続報として、特許法改正における救済措置拡充の概要と、意匠法改正により利用可能となるハーグ協定に基づく意匠出願を紹介する。

(1)ハーグ協定ジュネーブアクトについて

ハーグ協定ジュネーブアクトは、複数の国で意匠登録を行う際に必要となる手続の簡素化と費用の節減を目的とした国際条約であり、世界知的所有権機関(WIPO)が管理・運営している。出願人は1 個の出願手続(国際出願)を行うことにより、複数の指定国へそれぞれ出願したのと同じ効果を得ることが可能となっている。

国際出願は、WIPOの国際事務局へ直接出願する方法と、締約国が認めている場合には、締約国の官庁を通じて間接出願する方法の2ルートが存在する。

(2)意匠法の改正

日本の意匠法は、加盟を検討しているハーグ協定ジュネーブアクトに基づき、複数国に対して意匠を一括出願するための規定を整備し、出願人のコスト低減を図るため、改正が行われる予定である。

改正後は、日本国民又は日本国内に住所若しくは居所(法人の場合は営業所)を有する外国人は、特許庁長官に国際出願をすることが可能となる(60 条の3 第1 項)。この国際出願は、経済産業省令で定めるところにより外国語で作成した願書及び必要な物件を提出する必要がある(60 条の3 第2項)。

この出願手続は、複数国への出願を考えている出願人の負担の軽減に役立つ。改正前は、出願人がA国、B国及びC国へ出願する場合は、それぞれの国に出願する必要があった。しかし、改正により、出願人は日本の特許庁に出願すれば、A国、B国及びC国に出願したのと同等の効果を得ることが可能となる。

※ハーグ協定ジュネーブアクトの詳細については、「ソウエイヴォイス Vo.70」を参照のこと。今後、施行規則等が公表され次第、続報の予定

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