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[特許/カナダ]カナダ特許規則の改正

カナダ特許規則の改正が予定されている。この改正は、カナダにおける特許出願の審査をより効率的に完了することを目的とするカナダ政府の提案に基づくものである。改正案には、超過クレーム手数料の新設、継続審査(RCE)手続の新設、その他の変更が含まれている。

1.超過クレーム手数料の新設
2022年4月現在、クレーム数はカナダにおける特許出願の手数料に影響を与えることはないが、改正案では、以下の内容が新設されている。

  • クレーム数が20を超える場合、超過したクレーム数ごとに100カナダドル(小規模事業体の場合はその額の半分)の手数料が請求される。
  • 超過クレーム手数料の要否が判断されるタイミングは、(1)審査請求時及び(2)特許付与の最終手数料(維持手数料)の納付時である。ただし、審査請求時に超過クレーム手数料が既に納付されている場合には、納付済の超過クレーム数分に関しては最終手数料の納付時には超過クレーム手数料は請求されない。

改正案では、マルチクレームについての追加料金はないとされている。

2.継続審査(RCE)手続の新設
現行の実務では、審査官は、出願が許可されるか、放棄されるか、又は拒絶されるまで、何度でもオフィスアクションを発行することができる。改正案では、同一出願内で審査を継続するための継続審査請求(RCE)が新設されている。

具体的には、3回目のオフィスアクションの後、審査を継続するためにはRCEを行うことが必要となる。また最初のRCEの後、2回のオフィスアクションごとに、放棄を回避するためのRCEをさらに行う必要がある。各RCEに対する料金は816カナダドル(小規模事業体の場合はその額の半分)である。

3.施行時期・推奨事項等
上述の新たな手数料は、規則が正式に施行された後に審査請求される出願に対して適用される。施行日は最終の改正内容の公表後30日以内である。なお、施行時期はまだ正式には発表されていないが、2022年7月1日までに施行できるように準備が進められているようである(施行日については、2022年6月21日追記参照)。

従って、上述の変更点は、まだ審査請求がなされていない特許出願に影響を及ぼす可能性がある。そのため、出願人が、超過クレーム手数料及びRCEの費用を回避することを望む場合には、できる限り速やかに審査請求※1することが賢明であると言える。また、改正案の規定の適用を受けることとなる出願については、審査請求と共に提出する補正書においてクレームの数を減らすことにより、超過クレーム手数料を軽減又は回避することができる。

※1:審査請求期限は出願日(又はPCT出願日)から4年以内。

【出典】
Government of Canada「Canada Gazette, Part I, Volume 155, Number 27: Rules Amending the Patent Rules

※2022年6月21日追記
カナダ特許庁(Canadian Intellectual Property Office;CIPO)は、カナダ特許規則の改正の施行日は2022年10月3日である、と発表した。ただし、配列表(シーケンスリスト)の形式の変更については2022年7月1日とされている。

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